前回、組上げたムーブメントの精度を測定し、より誤差の少ないように調整していきます。
測定に使うのは、この歩度測定器を使用します。
「歩度測定器」
脱進機から発せられる音の間隔と標準タイミングを比較し、
数秒間の平均値を表示しています。俗に言う精度の事です。

最初の測定では「+26秒」自身で組上げたムーブメントとしては
まずまずの出来かなと思いましたが、これで終わらせてくれないのが
技術者(講師)です。
この後、テンプについている緩急針を調整し(写真内ABC)、
精度をあわせていきます。
このムーブメントはETA社のものなので、エタクロンという調整システムを採用しており、
多少、調整が楽に行えるようになっています。

Aを回すとアオリ幅、Bを回すとアオリ位置、Cで微調整が可能です。
通常、AとBで調整しCは中央に位置しておきます。
(アオリ=ヒゲゼンマイの遊び)
緩急針の調整と測定器を用いてのチェック、これをひたすら繰り返していきます。
この作業は特に経験が必要とされ、機械式時計の精度をだすための苦労が
体験できました。
何度かの調整のあと、なんとか「0~+3秒」までもっていけましたが、
この測定値は文字盤を上にした状態とリュウズが下向きの時での精度であり、
使用状況や組み上げ時の注油の仕方により今後は+方向に傾いていくそうです。

一言に「精度」と言ってしまえば簡単ですが、その精度をだすためには
技師により入念な作業があってこそだと知り、規定以上に進みや遅れが
でた時は時計のメンテナンスのサインなのかなと思いました。
ちなみに私が使っている時計は、「+16秒」。これも味わいがあっていいのかなと
思っていましたが今回の件でオーバーホールを検討中です。
大切な時計、愛着ある時計を永く使うコツはマメなメンテナンスが必要と痛感しました。
アドバイザー 鎌田










