vol.2 銀座の手土産

~今も愛される江戸のおやつ、榮太樓總本鋪の金鍔~

日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やコーヒーのおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第2回目は、銀座おなじく日本を代表する街、日本橋の老舗「手土産」をご紹介します。



刀の鍔から名がついた江戸の人気菓子

江戸時代には魚河岸があった日本橋。当時の川柳に「なんのその 日に千両は 朝のうち」とあるように、日々千両ものお金がうごく天下一にぎわう町でした。江戸の台所とも呼ばれた魚河岸で働くひとたちが「大きくて甘い、気風のいい菓子」と贔屓にしたのが、魚河岸そばの屋台で売られていた榮太樓の金鍔(きんつば)です。小麦粉の皮で包んだ小豆餡を丸く焼きあげた菓子は、刀の鍔に似ていることからその名がついたとか。安政4(1857)年には、人気屋台をたたみ日本橋西河岸(現在の本店)に菓子店「榮太樓」を開業。金鍔をはじめ、ささげ豆を蜜煮にした甘納豆の元祖「甘名納糖」や南蛮の砂糖菓子にヒントを得た「榮太樓飴」など、今も多くのひとに愛される菓子を生みだしてきました。

創菓として受け継がれてきた「名代金鍔(なだいきんつば)」/220円(税別)。ファンが多い芋餡などの季節限定金鍔/220円(税別)。さらりと品のよい甘さの「甘名納糖」/660円(税別)は日本橋本店限定。

 




榮太樓總本鋪の菓子ブランドがすべて揃った日本橋本店。家族や友人などへのプチギフトからお世話になったひとへの気の利いた手土産までおまかせ。


江戸っ子にならって焼きたて金鍔をほおばる

創業二百年を迎えた榮太樓總本鋪では、昨年の夏に日本橋本店を一新。手掛ける菓子ブランドがすべて揃う店内は、まるで菓子見本市のよう。情趣に富む上生菓子からポップで洒落た「あめやえいたろう」の飴菓子まで、みているだけで心が弾みます。またオープンキッチンスタイルの和菓子カフェでは、職人による焼きたての金鍔や作りたての団子や大福を楽しむことができます。江戸の味を手土産に選ぶのもよし、江戸っ子にならい焼きたて金鍔をほおばるのもよし。とはいえ外出を控えたいときは、オンラインショップが充実しているのでお取り寄せもおすすめです。

和菓子職人が実演する姿が楽しい和菓子カフェ。銅板で焼き上げる金鍔からは、ごま油のよい香りが漂ってくる。「屋台みたいな雰囲気を感じてもらいたい」と和菓子職人・青木さん。





街歩きのあとには開放的な和菓子カフェ「Nihonbashi E-Chaya」へ。写真提供/榮太樓總本鋪





国産の天草でつくる寒天には、自慢の餡にたっぷりのソフトクリームをのせて。四種類から選べる飴みつが人気の「榮太樓あんみつパフェ」/450円(税別)。写真提供/榮太樓總本鋪





掲載情報は2021年2月のものとなります。

■DATA■
住所   東京都中央区日本橋 1-2-5
電話番号 03-3271-7785
営業時間 10:00~18:00(月~土曜)
休日   日曜・祝日

営業時間・定休日は状況にあわせて急な変更も。お出掛けの際はHPやお電話などにてご確認を。
銀座の百貨店でも一部のブランドは取り扱いあり。
https://www.eitaro.com