vol.16 銀座でひとやすみ

和モダンな茶房でつくりたて和菓子を

日新堂の近くにある名店や街の魅力をお伝えしたい、そんな想いから生まれた『日新堂マガジン』。喜ばれる手土産やおいしいカフェ、そして街の歴史やちょっとしたトリビアまで、日新堂のお客さまが愉しめる街案内をお届けいたします。
第16回目は、カウンターでいただく銀座の和菓子をご案内します。










現代アートが彩る和モダンな茶房

銀座の地に店を開き90余年となる銀座凮月堂。2018年には銀座名物のガラス張りティーサロンを改装して、素材を活かす和食とつくりたての和菓子を供する店へと生まれ変わります。浅葱鼠色(あさぎねずいろ)に塗られた漆喰壁と白木のカウンターの和モダンな茶房では、伝統的な和菓子はもちろん、山椒や木の芽、花穂紫蘇(はなほじそ)など、和の食材を取り入れた目新しい甘味を展開しています。また空間には、銀座凮月堂の店章(てんしょう)である月と扇を思わせる現代アートをディスプレイ。聞けば、そのすべてが当代店主のコレクションだそう。モノクローム作品を撮り続ける写真家マイケル・ケンナのアートとコラボレーションした白黒な和菓子を手掛けたことも。枠にとらわれることなく銀座らしい菓子文化を発信しつづけています。



上生菓子と季節菓子を三種盛り合わせた「匠」。菓子皿は荒川尚也(あらかわなおや)作。上生菓子「山笑(やまわらう)」(金団(きんとん)製・四月の菓子)、金鍔(きんつば)、カステラと煎茶のセット/2,200円









芳醇なラムが香るあんみつラムレーズン。無花果(いちじく)の赤ワイン煮の食感、赤スグリゼリーの酸味と、ちょっと大人なあんみつ。お好みのドリンクとあわせて。2,200円~ Photo by © GINZA FUGETSUDO













儚いくちどけのつくりたて菓子を

心落ち着くカウンターでいただきたいのは、銀座凮月堂の上生菓子とお茶のセット「匠」です。情趣に富む上生菓子、名物のカステラ、季節菓子の盛り合わせは、不動の人気を誇るお品書き。つくりたての愛らしい金団(きんとん)製「山笑(やまわらう)」は、すっと溶けていくような儚いくちどけが持ち味。くちどけのよさは、白あんのつなぎに大和芋を使っているからだそう。この儚さを愉しんで欲しいので、まず上生菓子からどうぞ。こだわりの玉子でしっとりと焼き上げたカステラや香りよくすっきり甘い餡の金鍔(きんつば)も甘いもの好きにはたまりません。煎茶や和紅茶、抹茶など気分にあわせて飲み物を選べるのがうれしい。また茶房で使っている器は、銀座凮月堂が運営する器のセレクトショップ「銀座 日々(にちにち)」で取り扱っているものも。気になる器があれば帰りがてら覗いてみるといいかもしれません。



コロナ以前は、カウンター越しに菓子職人が上生菓子をつくる姿を愉しめたそう。現在は、注文ごとに工房でつくる上生菓子を提供。茶房では“和菓子作り体験”を頻繁に開催している。職人の手ほどきをうけられる和菓子作り体験は世代問わず人気。









ひとりでゆっくり過ごしたいときは、広々としたカウンターがいい。 Photo by © GINZA FUGETSUDO









モダンな空間にふさわしい月型のオブジェは久野彩子(くのあやこ)作。 Photo by © GINZA FUGETSUDO









掲載情報は2022年4月のものとなります。

■DATA■
銀座凮月堂
住所      東京都中央区銀座6-6-1 銀座凮月堂ビル 2階
電話番号    03-3571-2900
営業時間(茶房) 11:30~18:00(L.O.17:30)、18:00~22:30(L.O.22:00)
*18:00~の夜営業は、木、日曜・祝日が定休となり、別途テーブルチャージ550円とサービス料10%がかかります。

営業時間・定休日は状況にあわせて急な変更も。お出掛けの際はHPやお電話などにてご確認を。
銀座凮月堂